[6.30 プリンスリーグ東海第7節 静岡学園高Ⅱ 3-1 四日市中央工高 時之栖スポーツセンター 時之栖Aグラウンド]
三重の名門・四日市中央工高は主導権を握られた前半に2失点。初勝点を獲得することができなかったが、後半は狙いとするサイド攻撃からゴール前のシーンを増やし、終了間際にMF住田大晴(3年)が素晴らしいゴールを決めて一矢報いた。
この日は、GK西口友愛(3年)が絶品のパントキックで決定機の起点となったほか、2年生も印象的な動き。伊室陽介監督が「一人でも、見ている人にオッと思わせるようなプレーを」と求めるFW増田莉久(2年)が前線でボールを収めて起点となり、CB牧野蹴斗(2年)も最終ラインの要として奮闘していた。
牧野は高校進学後、怪我が重なり、約9か月間の離脱を経験。だが、1対1の対応とヘディングの強さを武器とするDFは復帰後にポジションを獲得し、敗れたインターハイ三重県準決勝でもポスト直撃のヘッドや対人の攻守などで存在感を放っていた。
この日は、「自分のせいで失点してしまったんですけど、切り替えて、また一からやり直そうと思って。声出して、みんなに伝えてやることができました」と振り返る。180cmのストッパーは表現力や出足の鋭さ、際の強さも強み。静岡学園高Ⅱ戦も存在感のある動きを見せていたが、技巧派たちからボールを奪い切れないシーンもあり、「もっとFWにガツガツいけるように、全部インターセットとかできるようになっていきたいです」と体力面とともに改善することを誓っていた。
三重のTSV1973四日市時代に日本クラブユース選手権(U-15)大会に出場。中学卒業時には県内外から誘いがある中、地元の名門校進学を決めた。2年生でチームの要になっているが、インターハイ予選で悔しい敗戦を経験し、プリンスリーグ東海でも失点数が増加。それだけに、「リーダーとしてしっかり支えて、無失点でいけるように」と誓っていた。
選手権は今年の大目標だ。伊室監督は「この夏しっかりと鍛えて選手権に」と語り、牧野も「この夏で自分の課題を長所にできるようにして。冬の選手権にぶつけていきたいです。全国大会に出て、自分が無失点で抑えて、自分のセットプレーのゴールで勝てるようにしたい」と意気込んだ。牧野は元々FWで攻撃力にも自信。長期離脱から復帰後、得点数が減っているというだけに、その部分も磨いて選手権で四中工を勝たせる。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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