[6.30 プレミアリーグWEST第10節 静岡学園高 1-8 大津高 時之栖スポーツセンター 時之栖Aグラウンド]
転向3か月のFWが、得点力を開花させ始めている。大津高FW兼松将(3年=F.C.Volaest Miyazaki出身)は、後半に2得点。他にも3得点に係わり、8-1の快勝に貢献した。
得点はいずれもポジショニング良く右サイドからのラストパスを引き出し、1タッチでシュートを決めたもの。「常に相手の視界から消えて入るとか、止まるとか、ニアに突っ込むとかっていうのは、色々パターンが大津の中でもあるんで。そういうのを意識しつつトレーニングとかで重ねていったら、やっぱりゲームになって、色々入ってきた時に対応できる」。5月にプレミアリーグで3得点をマークし、6月のインターハイ予選でも決勝で先制点を挙げるなど得点数が増えて来ている。
「FWは点取るポジションだと思うんで、まず点にはどん欲っていうのをずっと意識しています。FW始めたてだけど、クロスに入る速さとか相手に引けを取らずにできると思う。クロスのヘディングだったりとか得意としているんで、意識しています」。今年3月までボランチを務めてきた兼松は、登録184cmの長身を活かしたヘッドやポストプレー、周囲を活かすパスも利いている。
昨年、ボランチのレギュラーとして夏冬の全国大会に出場。今季もボランチとしてスタートしたが、3月の「PUMA CUP U-17 in SAKAI 2024」からFWを務めている。そのPUMA CUPで5得点をマークして得点王。好スタートを切ったが、「プレミア(リーグ)の最初の方とかは全然上手くいかなくて難しいなと思っていた」と振り返る。
それでも、「(2トップを組むFW山下)景司がしっかり動きのアドバイスをしてくれて、トモさん(山城朋大監督)から色々要求されて、色々分かってきて、最近また点取れるようになったし、散らしたり自分の良さを出しつつゴールに向かえるようになってきた」。リーグ戦では、兼松の5得点に対してFW山下景司(3年)が13得点。相棒は前線で起点になる動きに加えてゴールを量産している。だが、この日対戦した静岡学園高の川口修監督が兼松の存在の大きさを口にしたように、元ボランチの背番号6が相手にとって嫌なFWになってきていることは間違いない。
ボランチで勝負したいという思いも抱いているが、「大学行くにあたって、どのポジション任されても『いいよ』とできるように。大学1年目からスタメンっていうのを狙ってるんで、常にどのポジションでもできるようなユーティリティ性があれば、大学行った先でも使いやすい選手かなっていうのは意識しています」。FWでもハイレベルなプレーヤーへ。1か月後のインターハイも得点王を「狙っていきたい」と力を込めた。
「(インターハイでは)大津はやっぱ強いんだぞっていうのは色々な県のチームに見せつけて、難しいゲームになると思うんですけど、一戦一戦しっかりと戦って全国制覇を目指していきたい」。1か月間でFWとしてより成長を遂げ、日本一を狙うライバルたちの脅威となる。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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