地元開催の「神栖ワールドユースフットボール」で意地の同点弾。明秀日立MF柴田健成は選手権、大学へ向けて夏のレベルアップ誓う

後半終了間際、明秀日立高MF柴田健成(3年=ACミラン佐倉出身)が同点ゴール
[7.14神栖ワールドユースフットボール予選リーグ 明秀日立高 1-1 鵬学園高 神栖市矢田部サッカー場]

「神栖ワールドユースフットボール」開催地の茨城勢が意地を見せた。明秀日立高(茨城)は0-1の後半ラストプレーでMF柴田健成(3年=ACミラン佐倉出身)が同点ゴール。本人は「ごっつあんです」と微笑んだが、「相手もインターハイ出るチームですけど、負けられないっていうのは自分たち明秀日立なんであるんで、プライドとしてラスト押し込んだって感じです」。右クロスに身体を投げ出して合わせ、引き分けに持ち込んだ。

 明秀日立の所在地である日立市は、茨城県北部。南部の神栖市までの移動距離は長いものの、柴田は鍛錬の時期に茨城県で「神栖ワールドユースフットボール」が行われたことを歓迎する。「(参加チームには)インターハイとか出てるチームがあるのでいい機会ですし、そこに対して自分たちがどれだけやれるかっていうのは、すごい大事かなって思っています」。この試合では各局面で激しい攻防戦。柴田はボランチの位置で守備能力を発揮しつつ、相手を上体のフェイントでかわすなど上手さも見せていた。

 ボランチでのターンや中央からのドリブル突破はインターハイ予選決勝でも見せていたが、インターハイ出場校相手にも通用。また、柴田は前線へ飛び出す動きで強烈なシュートを放ち、試合終了間際にチームを救うゴールを決めた。

 明秀日立はインターハイ予選決勝で鹿島学園高をシュート数12-3と大きく上回りながら0-2で敗戦。この日、明秀日立の指揮を執った伊藤真輝ヘッドコーチは「あのシュート数でやられたのは重く受け止めています」と語る。インターハイ予選後はゴール前の攻防に力を注ぐ形でトレーニング。また、「悔しい思いをしている3年生」(伊藤ヘッドコーチ)をAチームへ引き上げ、CB久保遼真(2年)と右SB廣瀬魁(2年)を除いて全て3年生でAチームを構成するように変えた。

 柴田は「3年生で頑張ろうっていう。自分たち3年生みんな仲いいんで、この夏、そこをいい方向に持って行きたいなと思っています」。現時点ではまだ互いに優しくなってしまっている面があるというだけに、柴田は「自分とか(主将の)竹花が厳しく要求し合って、いいチーム作っていきたい」と強くなるためにAチームの空気を変えていく考えを明かしていた。

 明秀日立は各選手の将来のために、夏の期間に個を徹底的に強化する考え。その上で、妥協すること無く、日本一へチャレンジする。柴田は「この夏は大学に向けて、レベルアップっていうのは考えています。(チームとしても)3年生中心にみんなレベルアップして。絶対、(選手権では)鹿島学園に負けないっていうのを思っています。そして、日本一をもう一度目指せるように頑張りたい」。柴田は昨夏、当時2年生だったFW竹花龍生(3年)やGK重松陽(3年)、MF阿部巧実(3年)らとともにインターハイ優勝。勝った経験も糧とし、個人、チームでの進化を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
Source: 大学高校サッカー

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