[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.15 神栖ワールドユースフットボール決勝 帝京高 0-0(PK5-4)前橋育英高 神栖市海浜サッカー場B]
注目GKの背中を見て、続けてきた努力。帝京高(東京)のGK尾崎克蔵(3年=FC多摩ジュニアユース出身)が「第1回神栖ワールドユースフットボール」決勝のヒーローになった。
帝京は決勝の4時間前に行われた準決勝で、正GK大橋藍(3年)が活躍して勝利。決勝はチームからの厚い信頼を受け、もう一人の守護神である尾崎が先発出場した。前橋育英高(群馬)は帝京のハイラインの背後を狙った攻撃。だが、尾崎はPAから飛び出して対応する。
また、枠を捉えたシュートを確実にキャッチ。セットプレーに対しても思い切り良く飛び出して封じて見せた。大橋が「(尾崎は)マジで上手いです。ガチで上手い」と絶賛するキックを披露する場面は少なかったものの、DF陣のサポートもあって準決勝で5得点の前橋育英に得点を許さなかった。
尾崎は「やっぱりCBの小西(琉斗)だったり、田所(莉旺)君が結構抑えてくれてほんと助かったんで。自分はシュートに対して止めるだけだったんで、本当、みんなのお陰だなって思います」。チームメートに感謝の無失点。その尾崎はPK戦でヒーローになった。
PK戦3人目、「真ん中に来たので足を残した感じです」とストップ。ベンチを含めてチームメートたちを大いに沸かせた。準決勝のPK戦で大橋が1本止めており、プレッシャーがあったというが、「最後勝ててホッとしています。嬉しいのと、自分的にはホッとしたのがあります」。落合貴嗣GKコーチも賞賛する活躍で帝京を優勝へ導いた。
帝京へ進学した当初、同学年のGK大橋のプレーを見て驚いたという。「もう見たらもう衝撃で。もう全部止めていて、『このGK、入んのかな』ってぐらい」。FC東京U-15深川出身で 、下級生時から公式戦を経験してきた大橋は尾崎にとって「学ぶところがたくさんあった。本当にいい存在」なのだという。
「1対1のところだったり、ハイボールだったり、あとシュートストップだったり。もう全部通して上手いんで、もう全部学びたいなって思います」。目標とする存在の背中を見て努力。大橋も、成長して試合で活躍する尾崎から刺激を受けており、「GKのレベルが高い方がチームにとってはいいと思うんで、そこはほんとリスペクトがあるというか、克蔵がいてくれたから、今の自分がいるなって思います」と称賛していた。
尾崎は今後もセカンドチームの公式戦などで経験を重ね、いつチャンスが来ても結果で応える意気込みだ。間近に迫ったインターハイはGK陣、そしてチームとして無失点にこだわる。「後ろはゼロで。全員で優勝したい」(尾崎)。「第1回神栖ワールドユースフットボール」で自信をつけた尾崎は、先発でも、サブでもインターハイ優勝のために帝京を支える。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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