注目の初出場校は、「ビッグマッチ」の初戦から成長と白星を続けて目標を達成する。興國高(大阪)は近年、毎年のようにJリーガーを輩出する育成チーム。今年は厚い選手層に加え、勝負強さも強みだ。プリンスリーグ関西1部はG大阪ユースを破るなど8勝1分で無敗首位。激戦区・大阪府のインターハイ予選でも代表決定戦の準決勝を初めて突破し、初優勝も果たした。
主将のCB的羽航人(3年=セレッソ大阪和歌山U-15出身)は、「勝負強さ、最後に決め切る力と、後半から出てくるベンチスタートの選手とかがもう遜色ない。むしろ後半から凄くいいプレーをしてくれるので、そこがチームにとってプラスに働くことがほとんどですし、点を取るのが途中出場っていう選手も凄く多かったので、その流れを変えれる選手がたくさんいるっていうのがこのチームの強みです」と胸を張る。
19日は第13回堺ユースサッカーフェスティバルで米子北高(鳥取)と対戦。プレミアリーグに所属する強敵相手にボールを保持しながら主導権を握った。左の高速FW安田光翔(2年)やテクニカルな左SB久松大燿(3年)、MF小川勝也(3年)が中心となって相手を押し込み、多彩な崩し。MF水野凪斗(2年)が抜け出しから決定的なシュートを打ち込むなど、相手ゴールを脅かした。
決め切ることができなかったものの、「対人の強さだったり、ゴール前の局面のところでの守るところの強さだったり、点をやらせないっていうところに自分はこだわってるので、そこの強度のところを見てもらえれば嬉しいと思います」という的場を中心に相手の速攻を封じ切って無失点。0-0の引き分けで終えた。
的場は「ゼロで守り切るところは、日々継続して課題にしてるところなんで、そこは達成できたんですけど、決め切るところであったり、チャンスを演出する回数であったり、今日の相手、米子北さんは凄く守備の堅いチームでした。全国大会になってくると、やっぱ守備メインのチームも増えてくると思うんで、そこをどう崩していくか。70分で勝負を決めないといけないんで、そこのところが今日は課題として見えたかなと思います」とコメント。3日間のフェスティバルで全国レベルの相手を体感し、インターハイへ向けてベストの準備をする。
6月29日にインターハイの組み合わせが決定。名門・静岡学園高(静岡)と初戦(7月27日)で戦うことが決まった。「どっちみち、勝てば強い相手ですし、全国はどこも弱いチームはないと思うので、どこか面白い相手が来てくれたらいいなとは思ってたんですけど、静学っていうことで。ワクワクの方がデカいですね。同じようなスタイルの相手なんで、早めに当たれて良かったと思います」。ともに普段から個の強化に注力する、攻撃的なチーム同士の戦いとなった。プリンスリーグ関西1部9試合で5失点と堅守の中心も担う的場は、隙を見せないことを誓う。
「バックライン全員で連係を取って、隙を見せないっていうところが大事だと思います。やっぱそこを静学さんは突いてくる力が凄いと思うので、気を抜かずに70分しっかり守り切れたら。(自分たちも)前線の選手は点を取る力があるので、そこで全員が集中力を持ってできたら勝てるかなと思います」
個性派集団の主将は、各選手が普段通りの力を出せるようにすることを意識。その仲間たちの力を結集して目標達成を目指す。「勝っていけば勝っていくほど、トーナメント見ても強いチームと当たれるようになってますし、そこを勝っていけば、また1つ夏で自信をつけることができる。プリンス後期もまた他のチームもレベルアップしてくると思うので、そこに向けて個人個人がレベルアップしていける大会にしつつ、優勝を取っていきたいと思っています」。インターハイと選手権のタイトル、プレミアリーグ昇格も、「取れるものは取っていきたいと思っています」(的場)。前回、全国大会に出場した19年度選手権は昌平高(埼玉)との強豪対決に屈し、初戦敗退。初のインターハイでは自分たちの強みを出し切り、大会の主役になる。
(取材・文 吉田太郎)
●全国高校総体2024特集
Source: 大学高校サッカー
コメント