マリを跳ね除けた細谷真大、Jリーグ“最強助っ人”オルンガから学んだこと「彼を見てここまで来れた」

FW細谷真大
 Jリーグ“最強助っ人”外国人を見て育った。U-23日本代表FW細谷真大(柏)はマリ戦で激しいマークを物ともせず、決勝ゴールの起点を作った。その姿はかつて柏レイソルでプレーしたFWオルンガを彷彿。現地時間29日の練習後、細谷は「彼を見てここまで来れた。彼がいて試合にも出られなかったけど(笑)。その出られなかった期間はすごく大事な時間だった」と振り返った。

 パリオリンピックの舞台で、FWとしてひとつの役割、最前線での献身性を発揮している。初戦・パラグアイ戦ではMF三戸舜介の先制ゴールを切り拓くように相手DFをブロック。第2節・マリ戦では強引なドリブル突破で相手DFのマークを跳ね除けて右サイドを突破する。鋭いクロスが結果的にMF山本理仁の決勝ゴールにつながった。

 特にマリ戦では力強さを見せつけた。屈強なアフリカ勢は「前半やってみてやっぱり強いと感じた。リーチの長さも前半は苦戦した」と振り返る。それも徐々に順応し、「後半慣れてきた感じはあった。もう少し起点を作りたかった」と悔しさすらにじませた。また、いまだ無得点であることにも当然こだわりを見せる。「まだゴールはないので、しっかり取りたい」と力を込めた。

 国際舞台で活躍する細谷の姿を、オルンガも見守っていた。マリ戦後、オルンガは自身のSNSを日本語で更新。「彼が夢を実現できて嬉しいです。彼は高校時代からシニアチームで練習しており、優れたポテンシャルを秘めていた」と喜びを語った。2020シーズンにはJリーグ得点王とMVPを受賞した“最強助っ人”だ。細谷はその姿を高校時代から見て育った。

 オルンガが立ちはだかったことで、試合に出場できなかった細谷は切磋琢磨した。「そういった意味ではすごく感謝してる存在」。練習でのマッチアップこそなかったが「敵チームにはずっといた」と当時の印象を語る。「やっぱりなんでもできる。デカさやスピードに加えてテクニックもあった。FWとしてなんでも持っている選手だった」。最高のお手本を前に、少しでも技術を自分のモノにしようと励んだ。

 オルンガから学んだことをパリ五輪の舞台で発揮する。「裏の飛び出しは彼もすごく狙っていた。ネルシーニョ監督もそうだけど、そこはすごくお世話になった」。柏で培ったものは世界でも通用する。J屈指のストライカーはその証拠を示すつもりだ。

(取材・文 石川祐介)


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Source: サッカー日本代表

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