[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.30 インターハイ3回戦 神村学園高 6-0 仙台育英高 JヴィレッジP2]
電光石火の一撃でゴールラッシュの口火を切った。神村学園高(鹿児島)は前半2分に早くも先制点。セットプレーの流れから、DF新垣陽盛(3年=神村学園中出身)がMF大成健人(3年)の左クロスを頭で押し込んだ。
クロスのスピードがあり、難しい印象のシュートだったが、新垣は正確なヘッドでファーサイドのゴールネットへ。「結構、速くて難しいかなと思ったんですけど、上手く体を傾けながらできたかなと思います」と頷く。
そして、「インターハイからロングスローだったり、セットプレーに結構力入れていて、ああいうところで1点取ったらチームの流れも自分たちに傾きますし、そこで自分が1点取れたっていうのは大きいかなと思います」と微笑んだ。この一撃で加速したチームは、3分後にFW名和田我空(3年)が2点目のゴール。前半だけで5得点を挙げ、勝敗の行方を決定づけた。
快勝の中で光ったのが、新垣の守備だ。「(今大会できていることは、)前の選手のミスだったりをカバーするってところと、自分が声で守れるところがあるので そこの発信力というところ」と自己分析。この日も3バックの中央で声を掛け続け、味方のミスをフォローした。
後半8分にはサイドを攻略され、仙台育英高(宮城)の決定的なシュートがGKの横を抜けたが、ゴールカバーした新垣がクリア。また、神村学園は試合終了間際にPA付近でビルドアップのミスが起きたが、新垣がすぐに反応してカバーする。そして、相手の連続シュートを身体に当て、ゴールを死守した。
ゴールを守ることへの強い責任感を表現し、無失点勝利。「この大会への気持ちっていうのはやっぱ強いですし、出てる人だけじゃなくて、サポートで来てくれる3年生っていうのもいて、そういう人たちのためにも自分が気持ちを見せてプレーしていけたらなと思います」。U-17日本高校選抜の注目DFは支えてくれるチームメートのためにも、自分が強い気持ちを全面に出し続けてプレーする意気込みだ。
新垣はビルドアップの課題があることを自己分析。一方で、空中戦、地上戦の強さや的確なカバーリングでチームの失点数を明らかに減らしている。その新垣について、有村圭一郎監督は、「ちょっと自覚が出てきたのがあって、『しっかりやらなきゃいけない』っていう部分はだいぶ芽生えてきてるんで。そうなると、やっぱ強さも出てくるし、読みも速いし、身体も強いんで、なかなか崩されることはないと思います」。3戦21得点が注目されるが、チームは初戦から全試合無失点。「やっぱり、無失点ってところにこだわってやっていかないと成長していかないんで、そこは変わらずやっていきたい」という新垣が、技巧派軍団・静岡学園高(静岡)との準々決勝も無失点を継続する。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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