練習の最後にFW小湊絆(法政大1年=青森山田高)とGKデューフエマニエル凛太朗(流通経済大1年=流通経済大柏高)が、ボールの数を数えながら片付けている姿があった。「ピッチ外の部分で普段より働かされているけど(笑)、みんな優しくしてくれています」。そこにDF濃野公人(関西学院大4年=大津高/鹿島内定)が加わって楽しそうにしている様子からも、今回のチームの雰囲気の良さが伝わった。
「結果を残し続けること」で、全日本大学選抜入りを勝ち取った。高校生のころから高い注目を集めていた小湊だが、大学に入学してから得点ペースが加速。特にこの夏の総理大臣杯では、1回戦の関西大戦と、3回戦の国士舘大戦でハットトリックを記録するなど、圧巻の活躍をみせた。
得点量産について、小湊自身は「運要素もあるかもしれないけど、ボールがここに来そうだなというのが何となく分かるような気がしてきた」と分析する。理由としてしてワンタッチゴールが増えたことを挙げると、「ワンタッチはタイミングが合わないと生まれないゴール。スペースを見つける感覚は研ぎ澄まされている。強い持ち味に変わってきているのかなと思う」と胸を張る。
しかし今回の選抜入りには「悔しさ」も感じているという。今年は同時期に開催されているアジア競技大会に参加するU-22日本代表に大学生数名が参加。1年生ではFW内野航太郎(筑波大)がメンバーを果たし、20日のカタール戦では1得点を記録した。小湊も「ここに選ばれたのは嬉しいですけど、内野が向こうに行っちゃったので、それが今は一番悔しい」と唇を噛む。
ただし見て、感じて、学べる選手が身近にたくさんいる経験は、大きな成長の糧になると考えている。今回の選抜でテクニカルダイレクターを務める佐藤健氏からは、教え子の古橋亨梧らが大学時代にどう過ごしていたかを教えてもらったという。「共通して言えるのは、結果を出し続けること。自分みたいな下から這い上がらないといけない選手が上にいる選手を凌駕するためには、結果を出し続けないといけない」。
国際試合で結果を残すことは、何よりのアピールになるはずだ。大学日韓定期戦は今回で22回目となるが、お互いにアウェーで勝利したことがない。24日の試合で勝利することになれば、現在日本代表で活躍するMF三笘薫らも果たせなかった歴史的勝利を飾ることになる。今春のデンソーカップチャレンジで高校選抜の一員として大学生を相手に歴史的な勝利を挙げた実績を持つことから、小湊も「自分は結構、歴史を変えてきたつもりはある。勝てる気がしているので、自分が点を取って勝てればいいかなと思います」と自信満々に話した。
第22回大学日韓定期戦は24日、韓国・安養市にある安養総合運動場で行われる。
(取材・文 児玉幸洋)
Source: 大学高校サッカー
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