[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.2 総体準決勝 帝京長岡高 1-2 昌平高 Jヴィレッジスタジアム]
幼なじみと全国大会準決勝という舞台で対戦、「凄い楽しい時間でした」という70分間で、注目MFが2ゴールを決めた。
ゴールはいずれも鮮烈な右足シュートによって決めた。前半5分、昌平高(埼玉)MF大谷湊斗主将(3年=アメージングアカデミー出身)は右中間で前を向くと、そのまま持ち上がり、右足を振り抜く。
「持った瞬間からゴールは意識していて、左にコースが見えたんで、振り切った感じです」という一撃が、ゴール左に突き刺さった。相手の寄せが甘く、色々な選択肢があったはずだが、考えていたのはシュートだけ。「結果も求めてやってきているので、シュートしか考えてなかったです」。ファインショットでチームに歓喜と貴重な先制点をもたらした。
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大谷はドリブルを駆使したビルドアップも、ゲームメークも得意。だが、元日本代表FWの玉田圭司監督は「相手に脅威を与えるためには得点、アシストだよ」と求めてきたという。大谷はアンカーのMF鈴木宏幸(3年)のサポートを受けながら、やや前目のポジションで決める力を発揮。序盤で早くも相手の脅威になった大谷は、その後も止まらない。
前半14分、大谷はMF長璃喜(2年)のシュートのこぼれ球に左中間で反応すると、右足シュートをゴール右上へ叩き込んだ。「もうゴールの意識しかなかったんで、気持ちで押し込んだって感じです」という2点目。旧友の前で2ゴールを記録した。
大谷と帝京長岡高(新潟)CB山本圭晋主将(3年=セレッソ大阪U-15出身)は、大阪府高槻市のT3 Soccer School出身。幼なじみの2人は今春、U-17日本高校選抜に選出され、ともに主軸としてプレーしている。
そして今回、ともに強豪校の主将としてインターハイ準決勝で対戦。山本は攻守で質の高い動きを見せたが、大谷に決められたことを悔しがる。「湊斗は小学校の時から一緒にやってて知り合いなんですけど、やっぱ上手くて、そこを抑え切れなかった」。チーム全体が大谷の巧みな身のこなし、強さに苦戦。なかなかボールを奪えず、押し込まれる要因になっていた。
2人はともに、この70分間を「楽しかった」と振り返る。大谷は「圭晋、小学校から知り合いなんで。高校選抜でも一緒にやっていて、昔からの知り合いとこの準決勝でやれたっていうのは、凄い楽しい時間でした」と語り、山本も「(大谷は)1年生から昌平で試合出ていて、自分も見て、刺激もらいながら頑張ってこれたっていうのもあるんで。ピッチに一緒にいれて楽しかったなっていうのはあります」。選手権でもライバルとなることが必至の両校の主将。今回、勝者となった大谷は旧友の分も決勝を戦い、勝つ。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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