[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.2 総体準決勝 神村学園高 1-0米子北高 Jヴィレッジスタジアム]
注目FWが「14」に相応しい活躍だ。0-0の後半16分、神村学園高(鹿児島)のFW名和田我空(3年=神村学園中出身)が決勝ゴール。MF大成健人(3年)が左サイドをワンツーからドリブルで切り崩すと、ラストパスを右足ダイレクトでゴールへ押し込んだ。
右足でも、左足でもクロスを上げられる大成を信じ、ゴールエリアまで走り込んで決めた決勝点。名和田はドリブルシュートでスーパーゴールを決めるほか、抜け出しなどを得意とする。加えて、クロスからの得点数向上を目指し、日頃からクロスへの入り方、ポジション取りも意識してきたという。その成果を初の決勝進出をかけた大一番で発揮した。
神村学園はこの日、幾度かサイドを崩すシーンがあったものの、得点には結びついていなかった。だが、このシーンでは「(エースは)ここで結果残してこそだと思う」という名和田がゴール。有村圭一郎監督も、「ゴールは本人の持ってるその嗅覚みたいなもんだと思うんで。うちはエースがいるんで、そこで決め切れたかなっていうのは思います」と目を細めた。
これで名和田の今大会の得点数は9。2位に4得点差をつけて、得点王争いを独走している。2000年大会で国見高(長崎)のFW大久保嘉人が10得点をマークして以降(1999年大会以前の記録は不明)、流通経済大柏高FW大前元紀(2007年大会、6得点)や鹿児島城西高FW大迫勇也(2008年大会、4得点)、青森山田高MF松木玖生と神村学園高FW福田師王(ともに2021年大会、5得点)らが得点王に輝いているが、1大会で2桁得点を記録することは困難になっている。
名和田は「(大久保選手の10得点超えを)意識しつつ、まずはチームの勝利優先に決勝戦は献身的に頑張りたいと思います」。この日、正確なボールタッチでチームが押し返す要因となり、プレースキックを含めた正確なキックで相手ゴールを脅かした。そして、エース番号「14」は決勝点を決めたが、「チームを楽にできるシーンまだあったので、 また明日に向けて切り替えていきたいなと思います」と満足はしていない。
名和田は神村学園中3年時の2021年全国中学校大会で10得点。チームを初優勝へ導き、得点王を獲得している。今度は神村学園高の歴史を塗り替え、鹿児島県勢初のインターハイ優勝を達成するか。「(決勝で勝てば)歴史に名が残ると思うので、中学校の時はそれを自分たちで達成できたので、『また高校で』って思いが強いので、優勝できるように頑張ります」。名和田が2024年インターハイの主役となって大会を終える。
(取材・文 吉田太郎)
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Source: 大学高校サッカー
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