5日、日本女子代表(なでしこジャパン)がパリオリンピックを終えてフランスから帰国した。準々決勝のアメリカ戦(●1-2)でメンバー外となったMF谷川萌々子(ローゼンゴード)はマスク姿で囲み取材に応じ、「少し体調を崩していた」と欠場の理由を明かした。
谷川は今大会、一躍時の人となった。グループリーグ第2節のブラジル戦(○2-1)で、1点ビハインドの後半35分に投入されると、同点PKの獲得に、狙いすましたロングシュートで逆転弾。連敗の危機からチームを救ってみせた。
なでしこジャパンや、そのアンダー世代を追っていたファン・サポーターからすれば谷川の活躍は納得のもの。それでも初見の人からすれば、19歳とは思えない落ち着きとスキルの高さに、ニューヒロイン誕生を予感させただろう。
しかし、4強入りを懸けたアメリカ戦に谷川の姿はなかった。池田太監督は敗戦後、「私も(彼女を)見たかった」とコンディション面での不調が欠場の理由だと明かすと、谷川も帰国後「足の状態ではなく、少し体調を崩していた」と語ってくれた。
申し訳なさそうに話した谷川。その表情からは、ブラジル戦で得た自信とアメリカ戦でチームの力になれなかった悔しさが感じ取れた。
「最後のアメリカ戦でチームに貢献できなかったのが一番悔しくて、そういう気持ちで大会を終えたので、次は3年後、4年後になってしまうが、ワールドカップやオリンピックで中心選手になって、チームを勝たせられるような、得点を取れるような選手になりたい」
初参加の五輪で手応えを掴んだ谷川は今後、MF長谷川唯(マンチェスター・C)やMF長野風花(リバプール)、MF林穂之香(エバートン)を揃えるボランチのポジション争いに挑んでいく。
「まずは、サッカー選手としてピッチに立つのが一番だと思うので、ポジション争いというのは、もっと積極的に奪いにいかないといけないと思う」
谷川は大会を終えて、「小さい頃からの夢の舞台だったので、楽しみな気持ちでいっぱいだったし、短い時間だったけど、たくさんの観客の中でプレーできるという喜びは本当に大きかった」と話し、「日本のために戦いたいという思いが強まった」「メンタル的にもフィジカル的にも大人になる」と、なでしこジャパンと期待を背負っていく気概を示した。
(取材・文 成田敏彬)
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Source: サッカー日本代表
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