[9.24 J1第28節 湘南0-2川崎F 国立]
自ら手にしたPKだったが、そのキッカーを決める流れには加わっていなかった。川崎フロンターレMF瀬川祐輔は、1-0で迎えた前半34分に敵陣内でファウルを誘発し、PKを奪取した。だが、キッカーはFWレアンドロ・ダミアンに決定。それでも背番号9が初ゴールを決めたことに「ダミアンがファーストゴールを決めれたというのはチームとして大きかった」と柔らかな笑顔で語った。
今季5度目の先発は3-5-2のウイングバックだった。瀬川は攻守にハードワークをしながら、左サイドから果敢に攻め立てる。すると、前半34分には大きな結果をもたらした。PA左外から瀬川は中央に折り返し、MF脇坂泰斗、ダミアンと経由したボールを見て、すかさずPA内に入り込む。「ダミアンはヒールを使ってくれるので、とにかく前に走ろうと」(瀬川)。予想通りのパスを受けると、ゴール前でMF小野瀬康介に倒される。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックでPKを得た。
自身が得たPKこそ蹴りたくなるもので、瀬川も「僕的には蹴ろうかなと…」と考えていたという。しかしそんな瀬川を気にせず、ストライカーたちがボールを狙っていた。「僕がもらったPKを山田新とダミアンで喧嘩しているのがちょっと面白かった。2人でおれ蹴るおれ蹴ると言っていたので…(笑)」。瀬川はPK自体は好きではないと本音を明かしつつ、ダミアンにボールを譲る。エースはPKやり直しを経て、待望の今季初ゴールを沈めた。
今季加入からチームは苦しい時間が長く続く。それでも、瀬川は巧みなスキルと器用な動きでチームに貢献。今節はウイングバックとして、負傷者が出ながらも臨機応変に立ち回った。「ウイングバックをやっていても気持ちよくプレーができた」と自身に及第点。「ちょっとミスも多かったけど、守備の面では球際も行けていましたし、チームとして守ることができたら。収穫と課題と、次につながるゲームだった」と勝利を噛み締めた。
リーグ戦先発は5試合のみ。さらに加入後の先発試合では初白星だった。「リーグで初めてスタメンで勝てたというのは安心しました」と安堵の表情。自信につながる勝利とともに、今季残り試合でも活躍を続けるつもりだ。
(取材・文 石川祐介)
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Source: 国内リーグ
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