[MOM4812]U-17日本代表DF森壮一朗(名古屋U-18、2年)_“個人昇格”へ。主将が示した「自分の価値」

U-17日本代表CB森壮一朗主将(名古屋U-18、2年)は完封勝利に大きく貢献した
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.10 Balcom BMW CUP第2節 広島県高校選抜U-18 0-2 U-17日本代表 サンフレッチェビレッジ広島第一球技場]

 指揮官の檄に応え、相手のキーマン封じを果たした。U-17日本代表は前半、広島県高校選抜U-18のFW上岡士恩(瀬戸内高3年)の競り合いの強さや抜け出しの速さに苦戦。失点こそしなかったものの、相手に押し返されたり、チャンスを作られる要因になってしまっていた。

 ハーフタイム、朝岡隆蔵監督(ふたば未来学園高)はCB森壮一朗(名古屋U-18、2年)とCB秦樹(横浜FCユース、2年)に対して檄。森は「前半は結構、その馬力にやられるシーンがあって、空中戦でも何回も負けましたし、そこは(朝岡)監督からも、勝つか、負けるかで自分をもっと示せ、自分の価値を示すために9番(上岡)と戦え、絶対勝てっていう風に言われて」と振り返る。

 そして、「一回、そこで自分のギアが上がって、潰すことが後半回数増えましたし、あそこは監督からの言葉っていうのは大きかったかなと思います」。後半は、「9番の選手が嫌なことをしよう」と上岡と触れるような距離を取り続けるなど徹底した駆け引き。自分の存在を意識させ、背後へのボールや浮き球に対して先に反応し、弾き返した。

U-17日本代表CB森壮一朗(名古屋U-18)が高さを発揮

 森は昨年の国体にU-16愛知県選抜の一員として出場。2回戦でU-16広島県選抜の上岡と対戦し、「スピードあって、体強くて、馬力ある選手っていうのは理解していた」。この日の前半は相手の良さを出させてしまったものの、秦らとともに改善。2-0で勝利し、0-0からのPK戦で敗れた国体の雪辱も果たし、自分の価値を証明した。

 朝岡監督は「後半、森がシャットアウトしてくれた」と評価し、森も「監督からも『後半はよくやれてた』とは言われたんで、よかったです」と微笑む。今回、初招集組も多いU-17日本代表の主将に指名されたDFは、一際強い思いを持ってこの活動に臨んでいる。

「自分が『キャプテン、やりたいな』っていうのは内心思ってて、その中で指名してもらったんで、覚悟と自覚、責任持ってやろうっていう風には思って、やっぱり左腕にキャプテンマークつけるだけで責任は試合出てる時違いますし、そこはほんと自分がリーダーシップ発揮してやんなきゃなとは思います。後ろからラインアップの声かけだったり、ファイトの声だったり、そういうのはほんと心がけて、いつも以上に意識しています」

 目指しているのは同年代の代表チーム定着ではなく、上の世代の代表チームに“個人昇格”していくことだ。「自分の年代の代表入るだけじゃ、やっぱ自分満足してないんで、『飛び級』。今だったら、(G大阪ユースのU-19日本代表GK)荒木琉偉だったりはもうどんどん上に行っているんで。そういう選手が身近にいるんで、そこを目指す、そこを追い抜くって気持ちで自分もギラギラしてやっていかなきゃいけないですし、代表活動に限らず、自チームでもトップ昇格をできるだけ早く決めて、トップに係わっていって、どんどん高いレベルでやっていきたいなと思います」と力を込めた。

攻め上がりからラストパスを通す

 この日、ドリブル、コンビネーションから敵陣PAへ侵入して見せたように、推進力のある攻め上がりやセットプレーからの得点も魅力。CB、SBでも守備範囲の広さやスピードを発揮するDFは、昨年もU-17日本代表に選出されている。世代の中心選手はこれから自分の価値をまだまだ証明していく決意だ。

 Balcom BMW CUPは11日のウズベキスタン代表U-17戦がラストゲーム。森は「試合出たら相手を完封して、3連勝でチームとして優勝するっていうのもそうですし、ここ2試合フルでやって、昨日よりは今日いいプレーができたと思うんで、もっともっと高いとこ目指して、自分の価値っていうのを示して、ここからもっとステップアップできていけるように頑張りたいと思います」。逆転Vを目指すウズベキスタンとの戦いを制し、優勝と“個人昇格”のチャンスを勝ち取る。

スピード、守備範囲の広さに加え、攻撃性能の高さも魅力だ

(取材・文 吉田太郎)
Source: サッカー日本代表

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