10クラブ争奪戦の流経大DF根本健太、“覚悟”を持って決めた浦和内定「伊藤敦樹くん以上の選手に」

浦和入りを内定させたDF根本健太
[8.10 関東大学L1部第6節 筑波大3-2流経大 筑波大G]

 流通経済大はまたも筑波大に勝つことができなかった。過去2年のリーグ戦では勝利なし、近年は天皇杯予選でも苦杯をなめている。「細かいところの隙が筑波の選手はない。そこは違いを見せつけられたかなと思います」。DF根本健太(4年=東京学館高/浦和内定)は悔しさを嚙み締めた。

 根本にとっては浦和レッズへの入団内定を発表して初となる公式戦になっていた。「さらに自分が中心にならいといけないと思った。レッズの看板を背負っているので、恥じないプレーをしないといけないと思うし、サポーターに自分を知ってもらえるような活躍をしたい」。決意を強めて臨んでいたことを明かす。

 高校までは無名の存在ながら、大学で急成長を遂げた根本を巡っては、J1J2合わせて10クラブが争奪戦を繰り広げた。オフには浦和のほかに町田と福岡のキャンプに参加。鹿島や中学時代までを過ごした千葉ら複数クラブの練習にも参加し、進路先を見極めてきた。最後は早くから獲得に乗り出していた鹿島との一騎打ちとなったようだが、浦和入りを決断した。

 入団を決めた理由について根本は、チームの雰囲気に好感触を持ったことを第一に挙げる。「浦和には安居さんだったり、宇賀神さんだったり、お手本となる先輩がたくさんいる。それはプレーだけじゃなく人間性も含めて。あとはキャンプに参加してみて、雰囲気だったり、自分の特長が一番出せるなと思ったので決めました」。

 また浦和入りを決める際には、Jで活躍する流経大の先輩や、J1京都の監督で、流経大でテクニカルアドバイザーを務めるチョウ・キジェ氏にも相談したという。総じて言われたのは、「浦和に行くなら相当な覚悟を持たないといけない」ということ。同じ左利きにCB・マリウス・ホイブラーテンらライバルは強力だが、「浦和で競争に勝てば代表であったり海外がみえてくる。チャレンジしたい」とそこも十分な理解を持って臨むつもりだ。

「自分も覚悟を決めたので、自分の意思はぶれることなくやっていきたい。ポジションは左CBで勝負したい。(大学の先輩でもある)伊藤敦樹くんはキャンプでも中心でやっていたし、海外に行くというのは自分的にはすごく刺激。それをお手本に、伊藤敦樹くん以上の選手になれるように頑張りたいです」

 これまでも多くのJリーガーを輩出してきた流経大だが、その中でも中野雄二監督は「伸びしろ」は屈指のものがあると評価する。ただ「人間的にも素直な子なので伸びるとは思いますけど、伸びしろがあるということはまだまだだということ。無理なところで行ってしまって入れ替わったりする。あの辺の判断がまだまだ」と、現時点ではJ1でコンスタントに活躍する力はまだないと話す。

 根本自身も「代表に行ったときも大岩(剛)さんが1試合1試合100%のパフォーマンスを出さないといけないというお話をされていた。何試合かあると自分のプレーができないことがあったり、そこは自分の課題だと思う」と“伸びしろ”は感じている。その上で、「自分の特長を出して、常に相手を圧倒できるようになれば、海外だったり、代表になれると思う。自分の特長を出せるようにしていかないといけないと思っています」とプロ入りまでの更なるレベルアップを誓っていた。

(取材・文 児玉幸洋)


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Source: 大学高校サッカー

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