[8.10 関東大学L1部第6節 筑波大3-2流経大 筑波大G]
関東大学リーグ初出場となったFW大氏凛州(3年=JFAアカデミー)が、2ゴールに絡む大活躍をみせた。
前半でなかなかリズムを作れなかった流通経済大だったが、後半に入ると一変。まずは21分にDF根本健太(4年=東京学館高/浦和内定)のクロスに大氏がダイビングヘッドで飛び込むと、これはGKに防がれポストに当たって跳ね返るが、FW清水蒼太朗(3年=流通経済大柏高)が押し込んで同点。
さらに後半26分にはFW松永颯汰(3年=静岡学園高)の左クロスを大氏がダイレクトで蹴り込んで、一気に試合をひっくり返した。「1点入れば変わるかなという話はみんなでしていた」(大氏)。しかしチームは再逆転を許して逆転負け。大氏も「逆転したときはすごくうれしかったけど、最後にやられちゃって悔しい結果になりました」と肩を落とした。
大抜擢になっていた。今季は主に関東サッカーリーグ2部を戦う流通経済大ドラゴンズ龍ヶ崎で活動していた大氏だが、リーグトップの8得点を記録。好成績を買われて、1週間ほど前からトップチームに合流していた。関東大学リーグを戦うトップチームは、夏の総理大臣杯出場は決めたものの、リーグは下位に低迷。起爆剤となることを期待され、MF草野太貴(3年=尚志高)とともに初スタメンに抜擢されていた。
大氏にとってもモチベーションが高まっていたところだった。中高を過ごしたJFAアカデミーでは、2学年上にFW植中朝日(横浜FM)、1学年上にMF三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)がいた。パリオリンピックにも出場した2人は、JFAアカデミー時代の寮で同部屋だったことでも話題となったが、大氏も同部屋で過ごした一人だった。
「植中朝日さん、三戸舜介さんと僕で一緒の部屋でした。今でも仲がよくて、三戸さんとはこの前もご飯に行きました。当時から2人は代表活動に行っていたし、ずっと目指していた存在。自分もその舞台に行きたいなと思って頑張ってます」。さらにパリ五輪には女子代表(なでしこジャパン)でも、JFAアカデミー時代に同級生だったDF石川璃音(浦和L)が出場。多くの「刺激」を受けていた。
2人と同じ舞台に立つためには、ここから継続した活躍が必要になってくる。大氏も「初めて試合に出て、ようやくスタートラインに立てたかな」と話すと、「自分がここから続けていけば、チームも勝っていけると思う。連続ゴールを狙って、次はチームを勝たせられるようにしたい」と力を込めていた。
(取材・文 児玉幸洋)
●第98回関東大学リーグ特集
Source: 大学高校サッカー
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