[8.10 関東大学L1部 筑波大 3-2 流通経済大 筑波大G]
大学屈指のCBコンビから学び、成長を重ねる日々だ。筑波大のDF小川遼也(2年=富山U-18)はプロ入りが内定している2人の先輩とポジション争いを繰り広げている。
小川は昨シーズンなかなか出場機会を得られなかったものの、今季は負傷離脱者の発生もあって第2節から先発の座を奪取。強豪大学で一気に頭角を現したが、ここ2試合はベンチスタートが続いていた。
というのも、筑波大にはその負傷から戻ってきた来季の大宮加入が内定している主将DF福井啓太(4年=大宮U18)と、横浜FMへの26年加入が内定しているDF諏訪間幸成(3年=横浜FMユース)の強力CBが所属している。小川はプロ内定CBコンビに「どのチームを見てもこの2人に勝るCBはあまりいないなと思っている」と尊敬の念を抱くばかりだ。
それでも小川は「1人のサッカー選手である以上はスタメンでチームを勝たせたいという思いが強い」と高い向上心も持っている。福井と諏訪間が強力なライバルであることは間違いないが、「身近にこういった(プロレベルの)物差しがあるのは凄く嬉しい」と小川。日々の練習から得られるものは大きいようだ。
「2人がいるうちに良いところをとにかく盗み続けて、自分が少しでも超えられるようなCBになりたい。そう思いながら2人と切磋琢磨している」
そうした積み重ねはアクシデントが発生したチームに大きな力となった。小川は10日の流通経済大戦で3試合ぶりに先発入り。試合2日前の練習中に諏訪間の出場が難しいと判明し、スターティングメンバーに復帰することとなった。その中でも小川は「どちらかが怪我や何かで欠けてしまったときに自分がチームを勝たせる準備をいつもしてきた」と動じなかった。
また、前回先発出場した際の悔しさもパワーに変えたという。7月20日の東京国際大戦でチームは2-1の勝利を収めたが、小川は前半3分にイエローカードを受けると同6分に失点。以降は2試合連続で控え組となり、「不甲斐ないパフォーマンス」と自ら振り返った。
この悔しさを糧に迎えた流通経済大戦では、プロ内定選手も複数所属する相手攻撃陣を冷静に抑える場面が目立った。小川はクロスからの2失点に反省しつつ、勝利に繋がるパフォーマンスに手応えも感じた様子。再び先発メンバーに定着することへの意欲も高まったようだ。
小川は「2年生だから、プロ内定のCB2人だからというのは関係ない」と妥協する素振りは一切見せずに言い切ると、「今日みたいなチャンスはいつ巡ってくるかは分からないので、そのチャンスを掴めるように日頃から頑張って、日本一に少しでも貢献できるように筑波大を勝たせられる選手になりたい」と闘志を燃やした。
(取材・文 加藤直岐)
●第98回関東大学リーグ特集
Source: 大学高校サッカー
コメント